ウェルネスツーリズムJAPANとは

ウェルネスツーリズムは、医療にかからずに体を整えるための旅を指します。温泉に入る、サウナで汗をかく、森を歩く、坐禅を組む、自炊する。このサイトは、そのために使える宿を集めた台帳です。いま3,292軒がのっています。

ウェルネスツーリズムとは

ヘルスツーリズムは、ウェルネスツーリズムとメディカルツーリズムの総称

国連世界観光機関(UNWTO)と欧州旅行委員会(ETC)は、2018年の報告書で次のように定めています。

ウェルネスツーリズムとは、身体、精神、感情、職業、知性、スピリチュアリティなど、人間の生活のすべての領域を向上させ、バランスをとることを目的とした観光活動の一種である。ウェルネスツーリストの主な動機は、フィットネス、健康的な食事、リラクゼーション、癒し効果を用いた治療など、予防的、積極的にライフスタイルを向上させる活動を行うことである。

UNWTO/ETC『ヘルスツーリズムの考察』(UNWTO駐日事務所による日本語版)

同じ報告書は、メディカルツーリズムを「エビデンスに基づいた医療行為やサービスを利用する観光活動」と定め、この2つをまとめた総称がヘルスツーリズムだと整理しています。

  • ヘルスツーリズム/ウェルネスツーリズムとメディカルツーリズムの総称
  • ウェルネスツーリズム/予防的に、暮らし方を良くするための旅。医療行為は伴わない
  • メディカルツーリズム/診断、治療、リハビリなど、医療を受けるための旅

境目は医療行為があるかどうかです。温泉に入る、森を歩く、坐禅を組む、自炊する。医者にかからずに自分でやることは、すべてウェルネスツーリズムの側に入ります。

定義が挙げる領域は6つ——身体、精神、感情、職業、知性、スピリチュアリティ。抽象的なので、このサイトでは「泊まって何ができるか」に置き換えています(後述)。

日本の温泉と、いまの制度

環境省「温泉利用状況」令和6年度より

グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)の推計では、ウェルネス経済全体で日本は世界4番目の市場です(2024年、2,620億ドル。米国・中国・ドイツに次ぐ)。旅行だけでなく、食品や美容まで含めた数字です。

宿のほうは、環境省の「温泉利用状況」(令和6年度、2025年3月末現在)でこうなっています。

  • 温泉地は2,839か所(宿泊施設のある場所を数えたもの)
  • 源泉は27,899本
  • 温泉地にある宿泊施設は13,425軒
  • 年間の延べ宿泊利用人員は1億2,541万人

2018年にはヘルスツーリズム認証が始まりました。旅をきっかけにしたヘルスケアのプログラムに、内容と品質の基準を設けるものです。日本ヘルスツーリズム振興機構、日本規格協会、日本スポーツツーリズム推進機構による認証委員会が運営しています。

それでも、条件では探せませんでした

予約サイトでは絞り込めない条件

これだけ宿があっても、「源泉かけ流しで、ひとりで泊まれて、自炊できる宿」を一覧で見る方法がありませんでした。予約サイトは料金と日付で探すようにできていて、泉質や過ごし方では絞れません。観光協会のページは地域ごとに分かれています。

そこで、台帳を作りました。

42,052軒から、3,292軒を残しました

42,052軒から3,292軒に絞り込むまでの4段階

出発点は、宿泊予約サイトに登録されている全国42,052軒です。47都道府県ぶんをすべて取得しました。ここから2段構えで候補を作っています。

  • 量をそろえる/宿泊予約サイトの施設データを都道府県ごとに取得し、湯や設備の語(温泉、大浴場、露天、サウナなど)で一次選別しました
  • 質で拾い直す/予約サイトの分類では出てこない宿を、次の名簿から拾っています
  • ヘルスツーリズム認証のプログラム。健康のテーマが明示されている、ほぼ唯一の供給源です
  • 日本秘湯を守る会の会員宿(132軒)。一人利用と日帰り入浴の可否が一覧で取れます
  • 日本源泉湯宿を守る会の会員宿。泉質、源泉かけ流しの別、価格帯まで載っています
  • 日本文化遺産を守る会の会員宿
  • ウェルネスDアワードのノミネート(2024年度・23の地域と施設)
  • 地域の側では、国民保養温泉地(環境省指定・約79か所)、チーム新・湯治の参画リスト、新・湯治モデル調査の採択事例(17件)、環境省「新・湯治」連携事例集

一次選別を通ったのが4,914軒。同じ宿が複数の県のデータに入っていたものを121軒ぶん除いて、候補は4,793軒になりました。そこから1軒ずつ公式サイトにあたって、載せるかどうかを決めています。

  • 宿泊予約サイトの登録施設(全国47都道府県)/42,052軒
  • 湯や設備の語による一次選別と、名簿からの拾い直し/4,914軒
  • 重複を除いた候補/4,793軒
  • 公式サイトにあたって掲載を決めたもの/3,292軒

残りの内訳は、掲載しないと決めたものが1,048軒、判断を保留しているものが311軒、まだ手をつけていない候補が144軒です。保留の多くは、公式サイトが見つからない宿です。予約サイトや観光協会のページはあっても、宿自身が出している情報がないものは、出典として弱いため保留のままにしています。

何をウェルネスと呼んでいるか

「体にいい宿」という言い方は、便利ですが曖昧です。このサイトでは、泊まった人が実際に何をできるかで分けています。

  • 湯に入る/温泉、湯治、源泉かけ流し、泉質の10分類
  • 汗をかく/サウナ、岩盤浴、水風呂、外気浴
  • 体を動かす/森を歩く、泳ぐ、ヨガ、ジム
  • 静かにする/坐禅、瞑想、宿坊、ひとりで泊まる
  • 食べ方を選ぶ/自炊できる、精進料理、断食
  • 手当てを受ける/スパ、エステ、トリートメント

この6つのどれにも当てはまらない宿は載せていません。組み合わせた条件別の一覧は条件から選ぶにまとめてあります。

1軒ずつ、人が書いています

台帳に入れている項目

施設のページの文章は、公式サイトを読んで書き起こしたものです。3,292軒すべてに公式サイトのURLを記録していて、ページの下から確かめられます。

記録しているのは、泉質、温泉地名、源泉かけ流しかどうか、一人で泊まれるか、自炊できるか、館内でできること、周辺でできること、価格帯、座標など。この台帳があるから、「岩盤浴のある宿」「源泉かけ流しの硫黄泉」のような条件で並べ直せます。

効能は、言い切りません

一般的適応症の転記の基準

一般的適応症は、2014年に改訂された標準の表記に忠実な場合だけ転記しています。3,292軒のうち、転記できたのは301軒です。残りは「該当なし」か「要確認」のままです。公式サイトに強い効能表示があっても写していません。

泉質も、公式サイトや温泉分析書の表記をそのまま転記しています。どんな湯なのかを知る手がかりとしてお使いください。

確かめられたことと、そうでないこと

根拠の強さの段階

台帳の項目ごとに、根拠の強さが違います。

  • 公式サイトで確かめたもの/泉質(3,150軒)、源泉かけ流し(1,309軒)、館内でできること、施設の紹介文。記事の数字は、ここを根拠にしています
  • 計算で出したもの/海までの距離(3,272軒ぶんの座標から、海岸線までの直線距離を計算)、部屋数
  • 予約サイトの設備情報によるもの/自炊できるか、周辺でできること。ここは精度が落ちます。「周辺でできること」には、内陸の宿にも「海水浴」が付いていることがありました

記事では、どの列を根拠にしたかを書いています。予約サイトの設備情報しかない条件のときは、そう断ってあります。条件の名前も、測れるものに合わせています。「10室以下の宿」は部屋数、「海まで1km以内」は座標から計算した距離です。

更新のしかた

更新の手順

営業時間も料金も、宿の都合で変わります。このサイトの情報は取材時点のもので、予約の前には必ず宿にご確認ください。閉館や休業がわかったものは、見つけしだい取り下げています。

保留にしているものは、公式サイトが見つかったものから順に足していきます。

出典

まずはここから

条件から選ぶ/47都道府県から探す/コラムを読む